わが家は、1階の間取りを最重要視して、寝るとき以外は2階に上がる必要のない間取りの2階建て一軒家を作りました。
この記事では、どうして1階完結型の間取りがいいのか、なぜそうしようと思ったか、メリットやデメリットは無いか等を考えていきたいと思います。
きっかけは友人との会話
家を買うとき、戸建て住宅とマンション、どちらにするべきか悩みますよね。
もちろん土地が高いエリアに家が欲しいならマンションだし、車社会でマンションが少ないエリアに家が欲しければ戸建てになりますが、どちらも選べるという方も多いと思います。
いつか家を買うとしたら・・・戸建てとマンション、どちらにするのかというのは家を欲しい人たちの共通の悩みです。
実家が戸建ての私と、実家がマンションの友人で「戸建てにはこのメリットがある!」「マンションは駅が近い!」なんていうことを話し合っていました。
※喧嘩している訳ではありません
防犯性にもあまり興味がなく、駅近でなくてもいいと思っていた私には、マンションのメリットはよくわかりませんでしたが、「マンションは自分の家に階段がなくて1フロアで完結するから楽」という話には、確かにそれはそうだと納得しました。
昔から平屋には一定の需要があるそうですが、平屋の最大のメリットは1フロアで完結していて動線が良いし、バリアフリーということです。
しかし、平屋には色々なデメリットがあります。
例えば、2階建てと同じレベルの延べ面積で建てるとしたら、大きな土地が必要であること、建築費が高いこと、日当たりが確保し辛いこと等。
それらのデメリットがあっても建てたい人は、「1フロアで完結する」という事に大きなポイントを置いているという事です。
1階完結型とは
「1階完結型」と連発していますが、その言葉がどこかで定義されている訳ではなく、呼びたい人が勝手に呼んでいるだけです。笑
1階完結型と言うのですから、本来は平屋やマンションのような1フロアですべてが完結する家をそう呼ぶべきだと思いますが、この記事では、家の主要な機能が1階にあり、主に寝るときだけ2階に行くような家を「1階完結型」と呼んでいます。
ここで子供部屋の事は考慮しません。
あくまで家を作り、その家に長く住み続けるのはこの記事の読者の方と、そのパートナーの方だけですから。
なぜ1階完結型にしようと思ったか
実家が2階建ての一軒家だったので、家には階段があることが当たり前だと思っていました。
ですから階段への抵抗はあまりなかったのですが、妻と同棲した頃に1LDKのアパートに移り住んでから事情が変わりました。
実家に比べたら小さな賃貸でしたが、階段もないし欲しいものにすぐ手が届く広さだったので、とても住み心地が良かったんです。
ここで気づいた事は、階段がないと楽だし、収納は使う場所にあるべきということです。
それから色々あり、家を建てる事になりました。
妻も私も戸建て派だったので一軒家にすることはスムーズに決まりましたが、この時に「家を買ったら現状から変わることリスト」を作りました。
というのも、賃貸が住みやすく通勤の便もよかったので、必要に迫られて家を買うという状態ではなかったんですね。
だから、こういう理由があって家を建てるんだ、という自分を納得させるためのリストを作りました。
このリストの中で、メリットとしては「家が広くなる」とか「子供が出来ても困らなくなる」とか色々書きましたが、デメリットで書かれていたものが、交通の便が悪くなる事に加えて、動線が悪くなるという点。
1フロアの賃貸から、2階建ての家になったら階段で1階と2階が分離される生活になります。
繋がってはいるものの、頻繁に階段を上りたくないから心理的に離れているような感じがする。
これを解決するために、1階完結型の間取りを目指そうと思いました。
私達が家を買った理由は過去の記事でどうぞ。
1階完結型に必要なもの
1フロアで生活を完結させるために必要な要素として、私が必要だと思うものは2つです。
それは1階のファミリークローゼットと乾燥機です。
そして、寝室以外の要素を一つのフロアにまとめること。
例えば、2階建て延べ床面積30坪の家として、標準的な感じのこちらの間取り。
引用:30坪、4LDKリビング階段の間取り | 理想の間取り
この間取りに私達が生活するとしたら、階段を行き来する行動にはどんなものがあるか、というシミュレーションをしてみます。
※乾燥機は無いものとします。
※1階に服をしまうスペースは無いので、2階の各居室のクロークにしまってあるという設定です。
まず朝起きて2階の寝室からリビングに降りてきます。
朝の準備を終えたら、着替えるために2階に上がり、服を着替えて家を出ます。
洗濯をする場合、1階の洗面所で洗濯をし、2階のバルコニーに干しに上がります。
乾燥したら、2階に再度上がって洗濯物を取り込みます。
1階で洗濯物を畳むとしたら、洗濯物をしまうために再度2階に上がります。
夜、仕事や外出から帰宅したら、着替えるために2階に上がります。
体温調節や、散歩のために上着を取りに2階へ上がることもあります。
適当ですが、以上のようなシミュレーションになりました。
家族構成や生活スタイルが変われば内容も変わりますが、洗濯物を干すためと、服を脱いだり着たりするために2階へ往復する事は変わらないと思います。
ここで、1階に洗濯機と乾燥機があれば、洗濯と乾燥がその場で出来るので、2階へ上がる必要がないことはおわかりだと思います。
それに加えて、1階にファミリークローゼットがあれば乾燥させた服をしまいに行くことも、服を着替えるために2階へ上がることもありません。
そうすれば、2階に行くのは寝るときだけで済むようになります。
※天気が良くても乾燥機を常用するものとします。
※寝室や子供部屋を趣味等の用途に使用する場合は考慮しないものとします。
1階完結型のメリット
メリットは階段を行き来しなくて済むことですが、もう少し掘り下げると以下のようなイメージになります。
- 階段の上り下りで疲れない
- 1階または2階に行くの面倒だな、という思考が減る
- 温度調節されていない階に行く必要がなくなる
寒い冬や暑い夏に2階で着替えなくて良い。
※個別空調の場合。着替えたりするために冷暖房を使用しないものと想定 - 2階の使用頻度が減るので、掃除する範囲を減らせる
わが家の場合は、主な生活スペースである1階はルンバで掃除しており、2階はあまり汚れが溜まらないので床掃除の頻度は少なくて楽です。 - 小さい子供がいたら階段を使用しないのは便利
抱っこして階段を上り下りするのは大変だし、目を離す機会が減る。
子供が小さいうちは階段は危険な場所でもあるので、階段を使わないと楽になる(と思われる)
体力を使わなくて楽だ!というだけではなく、空調・掃除・リスク回避という点でもメリットがあるのがわかります。
楽という言葉を使うと、じゃあ無くてもなんとかなるんでしょ?とか、ひどいと楽してんじゃない!と思われる事もありますが、楽なことは大切なことです!笑
わかりやすいメリットだけではなく、洗濯や着替えに対して心理的に抵抗がなくなり、ストレスを感じにくくなる効果もあると思いました。
また、乾燥機や1階のファミリークローゼットのメリットも1階完結型のメリットと言えます。
- 天気に左右されずに洗濯物を乾燥させれる
- 砂埃や花粉、虫などが洗濯物に付かない
- 部屋干しが邪魔になったり美観を損ねたりしない
- 洗濯物をハンガー等にかける必要がない
- 洗濯物を部屋に取り込む必要がない
- 夜でも乾燥出来るので、共働きでも問題ない
- 乾燥・畳む・しまうが同じ階にあると移動が楽
- 着替えるのに階の移動が不要だと楽
洗濯乾燥+収納のコストが下がると、
- 洗濯物が溜まってもイライラしない
- 汚れてもまた洗えばいいやと考えられる
- これはまだ使えるから洗わなくていいという考えをしなくていい
- 洗濯が大変だからできるだけ洗う頻度を減らさなきゃと思わなくていい
1階にファミリークローゼットがあると、
- 朝バタバタする事が減る
- 急な外出にも対応しやすい
- 体温調節のために着替えるのが楽なので、着替えるのが面倒だからと、寒い暑いを無駄に我慢しなくていい。
- 2階に行って上着を着るのが面倒だから散歩などでも外に出たくない、という思考が無くなる
- 上着や羽織るものなどがリビングや洗面所に散らからなくて良い
- ファミリークローゼットにバッグを置いていれば、翌日の準備なども楽
書いてると自分がズボラなのがよくわかりますね。
私が思いついた事を書いただけなので、生活スタイルで変わってくる所は多いと思います。
ちなみに乾燥機と言うと、電気式ドラム型洗濯乾燥機、電気式ドラム型乾燥機、ガス式乾燥機があると思いますが、わたしのオススメは断然ガス式です。
これについてはまた別の機会に記事にします。
1階完結型のデメリット
まずは、メリットでお話したのと同様に、乾燥機や1階のファミリークローゼットのデメリットをお伝えします。
ここでは簡単にしか触れませんが、乾燥機は主に以下のデメリットがあります。
- 乾燥機は導入が安くない(10~20万)
- ランニングコストがかかる
1回50~60円、1日1回転なら一か月1500~2000円 - 壊れる
家電なので10年で買い替えが必要だと考えたほうがいいかも - 音がする
機種によりますが居室と洗面の間がドア1枚だと多少うるさい、2枚なら平気 - 手入れが必要
ガス式は簡単ですが、電気式は多少面倒だと思います - 縮むものもあるので気を付ける必要がある
わが家では洗濯物の98%ぐらいは乾燥機行きですが、オシャレ着で傷みそうなものは浴室暖房乾燥機で乾かしています
1階のファミリークローゼットとしては、
- 思春期以降の子供や、着替えを見られたくないタイプの人は辛い
ファミリークローゼットがあったとしても2Fの各個人部屋にはクローゼットを設け、思春期以降の子供が嫌がる場合は個室で着替えてもらいましょう。
夫婦同士で着替えを見られたくない場合は、残念ながらファミリークローゼットは向いていません。
- 間取りの実現が難しい、和室やリビングの大きさなど他の間取りに影響を与えてしまう
最大のデメリットはこの点ですが、これについては後述します。
逆に言えば他のデメリットはほとんど無いと思っています。
以上になりますが、乾燥機とファミリークローゼットのデメリットについては、やり方次第で何とかなる点が多いと思いました。
この点についてはまた別の記事でもっと掘り下げたいと思います。
ただ、1階完結型の最大のデメリットは生活スペースを1フロアにまとめた間取りを作るのが難しいという点があります。
1階完結型の間取りは土地の広さが大事
間取りを作るのが難しいという事はどういうことでしょうか。
それは、1フロアにまとめたい要素が多くなると間取りに無理が出やすい・・・という事です。
例えば下記の間取り。
土地30坪、延べ床面積30坪、建ぺい率50%、建築面積15坪という制限の中でファミリークローゼットを導入した3LDKを作ってみました。
一応間取りとして成立はしていると思いますが、玄関回りの収納が少ないこと、リビングや洗面が広くないこと、和室等のスペースがないこと、ファミリークローゼット以外の収納が無いこと(シューズクロークやパントリー等)など、ファミリークローゼットがあるぶん、他の要素が圧迫されている事がわかります。
1階の広さがどれだけ取れるか、という点が1階完結型の間取りを作るうえで大事になってきます。
もっと1階が広ければいいのでは?と思うかもしれませんが、そうすると当然ですが広い土地が必要になります。
しかし、私達が希望していたエリアは、建築条件付き土地、または分譲で区割りされた土地はだいたい30坪を基準として作られていました。
※市街化調整区域や旗竿地であればもっと広い所はあります。
土地探しをしていたとき、30坪前後の土地は多く見かけたのですが、35坪ぐらいを超えると突然選択肢は狭まりました。
これは土地柄によるところであり、エリアが変わればもっと広いところもあると思いますが、私達の希望のエリアではこういった問題がありました。
それに建ぺい率にもよりますが、これが都内だとしたら建築面積15坪なんてまず難しいでしょうから、1階が広く取れないようでは1階完結型は難しいという事になってしまいます。
ちなみに後日談では、結局30坪では望む家は建てれないと思ったことや、郊外の土地が安かったので、希望のエリアは諦めて郊外の市街化調整区域の土地(50坪)に家を建てる事になりました・・・。
1階が大きくなる弊害
土地の制限を受けずに1階完結型の間取りを作ろうとすると、1階に必要なものを集約するため、1階が大きく2階が小さい家の間取りになりがちです。
例えば以下はわが家の間取りですが、床面積が1階64.4平米(19.5坪)対して2階は47.0平米(14.2坪)の計111.4平米(33.6坪)と、1階のほうがだいぶ大きい間取りになっています。
この1階と2階の大きさが異なる家は、総2階建て(1階と2階の面積が同じ)と比べ、建築費が増える、地震に強くないといったデメリットがあります。
この建築費が増える、というポイントは無視できないものがあると思います。
わが家の場合は、バルコニーの広さが標準を大幅に超えたのでそこの追加だけで済みましたが、ハウスメーカーによっては大きな追加費用を求められる事もあると聞いていますので、そこは注意が必要です。
終わりに
1階完結型の間取りの家に、夫婦二人と0歳児で半年住んでみての感想としては、非常に住みやすいです。
子供が大きくなっても今と同じスタイルで生活できるかどうかはわかりませんが、今となってはファミリークローゼット無しの生活を想像できませんので、導入して良かったと思います。
ファミリークローゼットを検討されている方にはこちらの記事がおすすめ。
乾燥機の導入を考えている人にはぜひ見て欲しいのがこちらの記事。
直接は関係ありませんが、同じ1階の間取りとして人気なシューズクローゼットの記事がこちら。
それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました。
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