この記事は、先日子供が生まれた私の日記です。
今まで他の人の役に立ちそうな記事や、家の自己満足的な記事しか書いてこなかったけど、この記事はただ、自分のあるがままに考えてる事を綴る日記です。
たまにはそういうのも書きたくなりました。
2019年3月18日 16:24 2992gの女の子が産まれました。
3月18日 朝の4:30位
まだ眠いのに、朝みたいに明るい。
どうやら妻が電気をつけたようだ。
意識が朦朧としている中、妻が破水したかもと言う。
そりゃ大変だ。一瞬焦ったが、尿漏れと破水の区別って難しいらしい。
半分寝ながらスマホで区別の仕方を調べる。色や匂いで判断するらしい。
妻に聞いて見せてもらうと、眠い目をこすって見るもんだから、色はよくわからない。
匂いを嗅いでみる。無臭・・・だけどわずかに生臭いような。
少なくともアンモニア臭ではない。
これはどうやら破水のような気がする。
じゃあ産婦人科に行こうか、ということで、妻に電話してもらう。
産婦人科からも眠い感じの声が聞こえてきたと妻が言う。
当直の看護師さん達も普段は寝てるのかこの時間?という疑問が頭をよぎるが、そんな事気にしている場合じゃない。
車で片道10分の産婦人科だから、そんなに急がなくていいのに、若干混乱していた。
妻が産婦人科に電話している間に寝ぐせだけ直して、車のエンジンつけて暖房つけて、入院グッズをつめこんだバッグなんかを車に突っ込む。
寝ぐせなんか直して、自分の事を気にしている場合か。でもまだ電話しているし、時間あるしいいか。なんて事を思っていた。
妻は平気そうだったが、予定日より10日も早かったので本当に出産なのかな、という気持ちも残っていた。
3月18日 5:00位
産婦人科に着くと、入院用の個室に二人とも案内される。
部屋に入ると「じゃあ検査しましょう」と、すぐに妻は診察室へ。
取り残された私は、どうしたらいいのかわからず、しばらく座っている。
これで生まれたら3月生まれかな、とか、順調に生まれるといいな、とか、仕事があんまり忙しくない時で良かったな、とか、今日はとりあえず休む感じになりそうかな、とか、考えている間に眠くなってくる。
妻はいま、きっと不安になりながら検査を受けているはずだ。
なのに自分だけ寝る訳にはいかない。
でも考える事が一通りおちついてしまうとどうしても眠気が来る。
昨日は、久しぶりに顔馴染みの居酒屋に行って、マスターと3人で話していた。
おかげで寝たのは日付が変わる頃だったから、眠いのも仕方ないと言えば仕方ない。
ネットでも見て気を紛らわすか。
そうしてなんだか興味があるらしい記事を見ても、眠いからなのか、容体が気になるからか、まったく頭に入ってこない。
まだかな。検査を受けているなら、経過を教えてくれてもいいのに。
1時間ぐらい経過したところで、結局眠気に負けて横になっていた。
3月18日 7:00位
看護師のノックで目が覚めた。
寝てない!寝てないよ!みたいにバッと体を起こす。
誰に恰好つけてるんだか。
案内されるまま、分娩室へ向かう。
そして、分娩台に乗っている妻を見る。
もう検査という段階ではなく、出産段階に入っているんだとこの時点で気づく。
マジか。もう陣痛促進剤も使っているらしい。
いつのまに。妻は少し苦しそうだ。
でもまだ余裕があるように感じる。
3月18日 午前中
少し話したあと、診察だからと言われ外に出される。
立会い出産なので診察室には出入りできるのだが、診察中は入れてくれない。
会社へ電話する。同僚に今日中の仕事をお願いする。もう心残りはない。
また分娩室に戻る。少し話す。外に出される。少し話す。
話す内容も無くなってくる。自分から外に出る。
もうこの辺はよく覚えていない。
無痛分娩だったので、途中から麻酔を行う。
麻酔とは言っても、完全に無痛にしてしまうと陣痛が進まないので痛みは半分位残ると説明を受けていた。
それでも苦しそうな妻。
痛みを10段階で表現して、0が無痛、10が死んじゃうぐらいの痛みだとしたら、どれぐらい?と看護師に聞かれ、7か8ぐらい、と答える妻。
10になったら死んじゃうレベルなのに8まで来てんのかよ。
麻酔きいてる?と不安になる。
3月18日 11:00ぐらい
朝から何も食べていないのでお腹が空いてくる。
妻は出産するまで、もう食べ物どころか水さえも飲む事が許されない。
そんな中、妻からそろそろお腹空いたでしょ、なんか食べてきなよ。と言われ、あー、本当に男って出産のとき何もできないんだな。と実感する。
3月18日 お昼ぐらい
とくに話すことも考えることも尽き、妻の容体もあとは子宮口が開くのを待つのみという感じになった。
それまでは、診察があって外に出されたあとに毎回、診察が終わったので診察室へ入りますか?と看護師から聞かれていたが、担当が変わったからか、あまり聞かれなくなる。
3月18日 15:00ぐらい
呼ばれないので、自分から診察室へ入りに行くようになる。
もう子宮口が9㎝、10㎝ぐらいまで開いていたので、これからは赤ちゃんが下に降りてくるのを待つ事になる。
妻は相変わらず苦しそうだ。
だいぶ体力も消耗してきたように感じる。顔に元気がない。
麻酔していてコレだったら、普通の出産で難産な人はどうなるんだ。
3月18日 16:00ぐらい
診察室へ入ろうとしても、今は診察中です、と言われ入れなくなる。
あれ?と思っていると、赤ちゃんの容体があまり良くないので緊急帝王切開になるかもしれない、と説明を受ける。
え、今まで順調だったのに?と思っていると、主治医から、待合室でこの文章を読んでからサインしてくれと言われる。
待合室に行くと、看護師にサインしましたか?と聞かれ、まだ読む暇もないけど、とにかく最善を尽くしてもらうしかない。と思ってサインする。
そこからは、待合室で座っているほか無かった。
これは先ほどの文章のコピーです、と言われ、すぐコピーを渡される。
家族のサインと妻本人のサインがあるのだが、妻のサインは左手で書いたかのような、みみずみたいな弱弱しい字だ。
その字が妻の容体を表しているかのようだった。
そういえば、妊娠中に読んでいた本の中にも、突然緊急帝王切開になった人の話があったな、とか考えていた。
その本の人によると、突然準備が始まり、始めます、となってから生まれるまで3分位だったらしい。
準備と生まれてからの処置がちょっと長いだけで、メスを入れて取り出すこと自体は一瞬なんだとか。
という事はそろそろ切るのかな・・・とか思っていたら、16:24に生まれました、と、27分ぐらいに看護師が伝えにきた。
本当に早かった。ここまでの10時間ぐらいは一体何だったんだろうと思うぐらい。
赤ちゃんは元気です、二人とも無事です、と言われてほっと胸をなでおろす。
緊急帝王切開になります!って言われてから取り出すまでが早すぎて、心配する時間もろくになかった。
赤ちゃんを見せてもらうが、思ったほど猿っぽくはない。
生まれたての新生児はどの子も同じような外見だ、と思っていたのに、よく見てみると結構違うような気もする。
最初の感想はそんなもんだった。
そのあと、妻が入院用の個室に戻って来た。
多少震えていますが、温めてるので安心してください。全身麻酔で意識が混濁していると思いますが大丈夫です。と主治医に言われる。
出産は交通事故にあったぐらいのダメージだ、という話を前に聞いたことがあるが、ストレッチャーで運ばれてきた妻は、まさに交通事故にあったような感じだった。
点滴や酸素マスク、尿を取るための管とか、見たことない器具もつけている。
顔に手を当てて話しかけても応答がない。
微妙に顔を動かしているから、麻酔で返事がしたくてもできないのかも。
その日はしばらくそのまま部屋にいてから、帰宅した。
後日談
妻がいない夜は、独身時代と変わらない。
子供が産まれたら、父親らしい覚悟に目覚めるとか、何か心のもちようが変わるかって思っていたけど、何も変わらない。
そりゃ当たり前か。これからゆっくり変わっていくんだもんな。
同じように昔は、社会人になったら責任感あるしっかりとした人になるかなとか、彼女ができたら幸せかなとか、そんな事を考えていた気がする。
でも、実際に「社会人」とか「彼女がいる」とかに肩書が変わったからといって、本質的なところが変わった訳じゃなかった。
しっかりとした人へ。幸せを感じられる人へ。
ただ自分がそうありたいと思って、自分の意思でゆっくり変わっていっただけだ。
いや、変わったかどうかはよくわかんないけど。
今回もきっと、子供ができたからといって何かが変わるわけじゃない。
ただ、自分がありたい形に向かっていくだけ。
家族と一緒に歩んで幸せになりたいから、そのために必要な事をする。
急には変われないから、今日できることをするだけ。
その繰り返しをしていって、少しづつ自分が変わる。
子育てを、楽しみたいな。
コメント
おめでとうございます㊗️🎉
ありがとうございます!
まさかブログで祝ってもらえるなんて、嬉しいですね。
おめでとうございます。十数年前の出産を思い出して、旦那さんがこんな風に思っていたのかなってほっこりしました。ゆっくり素敵なパパになってください。
初めまして!そしておめでとうございます!同じ時期の妊婦としてすごく励まされました😊これからが楽しみですね☆私も頑張ります!
はじめまして、ありがとうございます。
id:月見草
出産レポって男視点のはあまりないので書いてみました。みんな思っている事は違うと思いますが、妻の事を心配しているのは同じだと思います!
id:tanunoshin
出産、頑張ってください。男は横にいることしかできませんので!