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家作りをハウスメーカー探しから始めてはいけない。その理由は、建築条件付き土地の存在。

こんにちは、むいむいです。

私は2018年末にマイホームを建てましたが、家作りって考える事が多くて何から手をつけていいのかわかりませんよね。

よく聞くのが「土地を探す」「ハウスメーカーを探す」のどちらを先にやったほうがいいかという問題です。

 

土地を持っている人は探す必要がないので、ハウスメーカー探しをされても全然構いません。

しかし人口が多い地域では土地を持たない方がほとんどだと思います。

土地がない人は、基本的に「土地を探す」ことを先にやるほうが良いと私は考えています。

どうしてその結論になるのか、逆にハウスメーカーから先に選んだほうが良い人はどんな人なのか、この記事で述べていきたいと思います。

※正確には、広域で営業している住宅建設会社の事をハウスメーカーと呼びますが、この記事では便宜上、地元の工務店などを含むすべての住宅建設会社をハウスメーカーと呼びます。

 

この記事はこんな人におすすめです。

    • 土地を所有しておらず、一戸建ての家を探そう・作りたいと考えている
    • 家を作りたいが、何から始めていいのかわからない
    • 建築条件付き土地について知りたい

 

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先に土地を探したほうが良い理由とは

先に土地を探したほうが良い理由を簡単に言うと、ハウスメーカーを先に決めてしまうと選べない土地が出てきてしまい、選択肢が狭くなるからです。

 

選べない土地というのは「建築条件付きの土地」です。

建築条件付き土地とは、簡単に言えばこの土地で家を建てるなら指定のハウスメーカーで建てて下さい、という土地です。

つまり土地と建物のセット売りですが、厳密には異なります。

この建築条件付き土地に対して、ハウスメーカー指定の条件がない土地の事をこの記事では「制限なし土地」と呼びます。要は普通の土地です。

 

私は人口50万人前後の市に住んでいますが、このエリアで新築される家の7割位が建売です。

残りのうち、更に半分が建築条件付き土地に建てた住宅で、残りの半分が制限なし土地にハウスメーカー等で建てた住宅です。

根拠については後述しますが、グラフにするとこれぐらいです。

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もしハウスメーカーを決めてから家探しをする場合、自社以外の建築条件付き土地は選べないので、半分の土地は選べないという事になります。

 

家作りをよく知った上で建築条件付き土地は選ばない、ハウスメーカーには拘りたい、というのであればもちろんOKですが、よくわかっていないうちにハウスメーカーを決めてしまうのはやめたほうが良いと思います。

 

建築条件付き土地は本当に多く売られているのか?

私が住んでいる千葉県北西部では、建築条件付き土地がよく売れているようです。

それについて詳しく調べてみましょう。

 

土地建物込み2500~5000万の家と想定して、スーモで土地を検索してみます。

条件は以下の通り。

柏市・松戸市・市川市・船橋市で、土地価格1000~3500万円、土地面積を90~150平米。

土地面積を絞ったのは狭い・広すぎる土地など、あまり人気のない土地を除外して考えるためです。

 

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これで検索すると、建築条件付き土地が108件、制限なしの土地が325件とヒットします。

こうしてみると制限なし土地が3倍ほど多いように見えますが、建築条件付き土地は制限なし土地に比べて良い土地や価格である事が多く、検索に出てくる件数ほど差はないと考えています。

それについてもう少し掘り下げます。

 

建築条件付き土地は良い物件が多い?

ネットに出ている土地は売れ残りが多いという事もよく言われる話です。

誰もが欲しいと思うような土地は土地売りではなく、ハウスメーカーなど同業者に流れて建売として売られてしまうため、良い土地が出ない。

これは私が実際に土地を探して思いました。売りに出ている制限なしの土地は良いものが少ない。

それなりのお金を払えば良い土地もあるんですが、それは相場より高い土地が多く手が出ない。

 

先ほど検索した内容で、建築条件付き土地と制限なし土地を足すと433件です。

これと比較して建売住宅は、同じような条件、価格2500~5000万で調べると2535件もあり、いかに建売住宅が多いかわかります。実に5.8倍です。

この大量に売られている建売住宅は、空き地・畑などを造成したものを除けば、土地として売られるはずだったものをハウスメーカーが購入して建物を建てたとも言えます。

人気の土地は同業者間で流通し、すぐ建売にされてしまうから土地売りが少なくなります。

 

しかし建売は一建設グループなど、建売を得意としている建設業者ならいいのですが、地元の工務店などが同じ土俵で戦おうとしてもあまり美味しくありません。

それに売れ残るリスクもあります。

それなら建築条件付き土地にすれば、土地と建物の両方で儲けられるし、建物を建築しないのでリスクも少ない。

という事で、建売にならなかった土地が建築条件付き土地になります。

 

建売を選ぶか建築条件付きを選ぶかは、住宅建設会社が得意なほうを選んだり、地域の人気など色々な事情により決められていると思われます。

私の住んでいるエリアの地元の不動産屋は、自社で建築をやっていたり、工務店数社と提携していたりするケースがよくみられます。

 

制限なし土地で売りに出ているものは建売にも建築条件付きにもならなかったものだと言いました。

制限なし土地の中には良い土地もありますが、平均的に見れば建築条件付きのほうが良い土地が多い傾向にあります。

建築条件付き土地の108件は、もともと良い土地か、造成された土地で「建築条件付き土地でも売れるから」建築条件付きとして売られています。

 

こうした事情により、ネットの土地売り検索に出てくる件数は3倍も違いますが、実際に売れている件数をベースに考えると、私の住んでいるエリアでは制限なし土地に建つ建物と、建築条件付き土地に建つ建物は同数程度だと考えています。

 

建築条件付き土地や建売が多いかどうかは地域性による?

ここまでさんざん建築条件付き土地や建売が多いと言ってきましたが、それは地域性によるものもあると思ったので、簡単に調査してみました。

私が住んでいる場所は、この全国の市ランキングで言えば人口・密度ともに50位以内に入る市です。

【全国の市】人口ランキング・面積ランキング・人口密度ランキング

 

これが、人口100位ぐらいに位置する市だとどうでしょうか。

試しに群馬県〇〇市と〇〇市のふたつで調査してみます。

調査価格はボリュームゾーンを調べて全体の8割位が入るようにしています。

価格500~1500万の土地なら制限なし土地が177件、建築条件付き土地が34件。

価格1500~3000万の建売なら794件。

 

人口350位ぐらいに位置する山梨県〇〇市と〇〇市だと、

価格500~1500万の土地なら制限なし土地が157件、建築条件付き土地が46件。

価格1500~3000万の建売なら160件。

 

グラフに示すとこんな感じ。

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まず、人口の少ない地区のほうが、買う人の母数が減る=売れ残りリスクも高くなり、建売は少なくなるようです。

建築条件付き土地より制限なし土地のほうが3倍~5倍程度多いようですが、建築条件付きは良い土地が多い事はこれまで述べてきた通りです。

 

建築条件付き土地は地域によって売られている数が違うかなと思い調査しましたが、そうでもないようです。ただ、少ない地区はやはりあります。

これ以外にも何件か調べてみましたが、建築条件付き土地は一定数が売られているようです。

 

ここからわかることは、建築条件付き土地を選択肢から除外してしまうと、やはり選べる土地が少なくなるという事です。

私の地域のように、場合によっては選択肢が半分になることもありますが、件数の少ない場所もありますので調べてみないとわかりません。

 

土地より先にハウスメーカーを決めたほうが良い場合とは

それでは、逆に土地より先にハウスメーカーを決めたほうが良いのはどんな場合でしょうか。

 

多少お金を払っても良い建物を建てたい

建築条件付き土地は、一般的に同条件の制限なし土地売りよりも安い傾向にあります。

これは土地と建物の両方から利益を得られるためですが、建築条件付き土地が安いため相対的に制限なし土地は高くなります。

そもそもまったく同じ条件のがあったら、普通は制限なし土地のほうを買いますよね。

 

建築条件付き土地は大手ハウスメーカーのものもありますが、地元の建築会社が指定されている場合のほうが多い。

この建築会社と自分で選んだ好みのハウスメーカーだと、後者のほうが良い建物を作れる可能性が高いです。

まとめると制限なし土地のほうが費用は高くなりやすいが、良い建物が作れる可能性も高いという事になります。

 

土地より建物を優先する

前項と同じような内容ですが、土地にあまりこだわりがないか、土地売りが多いような地域であれば建築条件付き土地をあえて選ぶ理由が少なくなります。

 

それに、建築条件付き土地では建築会社が指定されてしまうので建てられない家というのも出てきます。

最高級の建材を多く使った家、本格的な洋風の家、意匠に拘ったデザイナーズハウス、軽量鉄骨またはRC造の家、自然素材重視の家なんかは、一般的な地元の工務店で作るのは難しいと思います。

建築条件付きの土地となると、3ヵ月以内にプランを決めるのが(大体)業界ルールになっており、時間をかけることができないためその建築会社が通常使っている建材・工法以外を検討する時間なんてありません。

二世帯住宅、3階建て住宅、大空間がある家、ルーフバルコニー、耐震ダンパー等をつけた家、断熱・気密性が高い家、外壁タイルの家とかなら対応してくれるかもしれませんが何とも言えません。

 

つまり、時間をかけて家作りをしたいという人、マイホームに絶対実現したいという条件がある方は、建築条件付き土地は向かないと思います。

ただし、建築条件付き土地でも大手ハウスメーカーや信頼できる会社が指定されている場合、プラン決定までの時間が伸ばせる場合などはその限りではないと思います。

もっとも、普通の工務店にどれが実現できてどれができないかという判断は難しいです。

 

建築条件付き土地を選びたくない

3ヵ月ルールが嫌、プランの制約が嫌、建築条件付き土地で建てて失敗した人の話を聞いたから嫌、トラブルが多いと聞いたから嫌、とか理由は色々あると思います。

 

ただ、ここまで色々建築条件付き土地のデメリットを述べさせてもらいましたが、メリットももちろんあります。

土地を選べば自動的に建築業者が決まるので、ハウスメーカー選びで悩まなくてもいいのもそうですし、土地を買ってハウスメーカーを選んで・・・という純粋な注文住宅に比べてコストが低くなりやすいのもあります。

ハウスメーカーを選ばなくていいぶん、時間短縮にもなります。

建築条件付き土地のメリットについては今度また別の記事にまとめます。

 

結局、土地とハウスメーカーのどっちを先に決める?

長々と色々お話してきましたが、じゃあどっちを先に決めたらいいんでしょうか?

 

ここまで「探す」と「決める」を少し曖昧にお話していました。

「決める」をしてしまうと選択肢が狭くなるので「探す」段階で頑張りましょう。

 

当たり前だと言われるかもしれませんが私がおすすめしたいのは、土地についてもハウスメーカーについても平行して検討して、決めるのは最後にする事です。

それと、本やブログ等で情報収集しつつ建築や業界についてしっかり学ぶ。

そして自分が欲しい家とはどういう家なのかイメージする。

土地と建物の相場感覚を掴み、建築条件付き土地と制限なし土地で全ての費用がどれぐらい違うのか理解する。

将来的なお金のプランと返済計画について検討して、どれぐらいの家を買うべきか理解する。

 

そして、自分の住みたい家がイメージできたら、それが標準的な工法で建てることのできる家なら、建築条件付き土地も検討できますし、標準的な工法で建てられないのなら建築条件付き土地は除外して考えます。

お金的に安いほうが良ければ、その条件で検討します。

もちろんそれは難しい判断になると思いますが、情報が出そろったら実際に気になるハウスメーカーの人と打合せして考えても良いと思います。

 

最終的な段階になり「土地を決める」「ハウスメーカーを決める」のどちらを先にやるか?というと、普通はハウスメーカーを先に決めるほうが良いです。

制限なし土地を買ってからハウスメーカーを決めると、その土地には思っていたイメージの家が建てられなかったり、予想以上の費用がかかってしまう事もありますし、土地を買うためのローンにも困る事があります。

 

ただ、上記のようなことがあるからといって先にハウスメーカーを決める事をおすすめする営業マンは多くいると思います。

「建築条件付き土地の存在もあるから、どっちにするか決めてからハウスメーカー選んだほうがいいよ」とか「土地探すのは大変だから、土地の目星が決まってからハウスメーカー選んだほうがいいよ」なんて言う人はいません。

「とりあえずウチで一緒に土地探しましょう」といわれるのが普通ですが、その探す土地に建築条件付き土地は含まれません。

そこのハウスメーカーで建てられない土地なので、営業マンからしたら当然ですね。

 

家を建てるのだからハウスメーカーを先に決めなくちゃいけない、というのは半分正解です。

ただ「建築条件付き土地を買うかもしれない」という可能性を考えると、ハウスメーカーを先に決めてしまうと困る。

なので、最初に自分達で下調べと検討を繰り返し、建築条件付き土地を買う可能性があるのであれば、そこまでハウスメーカーを決める事は保留したほうが良いでしょう。

 

どちらかというとハウスメーカー探しより土地探しをしっかり行い、制限なし土地でも自分達の希望の価格・立地のものがあるか?建築条件付き土地のほうが自分達に合っているのか?など、諸々の点を検討されたほうがいいのかなと私は思います。

 

建築条件付き土地は注文住宅と言えるか?

注文住宅を建てるフリーペーパーとか見ていると、最初から最後まで工務店・ハウスメーカーの紹介ばかりです。

フリーペーパーでなくても注文住宅と名のついた本の内容は同じようなものです。

まるで最初にハウスメーカーを決めるのが当たり前で、建築条件付き土地など存在しないように書いています。

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それも半分正しい。建築条件付き土地は間取りが自由なのが一般的ですが、細かい設備や仕様まで変更可能かというのは事業者により異なります。

一般的に、制限なし土地でハウスメーカーで建築するほうが細かく仕様が決められます。

なので建築条件付き土地に建てた家が注文住宅と言えるかどうかは微妙なところですが、間取りが選べるという点では建築条件付きに建てた家も、立派な注文住宅の一つだと私は思います。

 

建築条件付き土地についてまったく解説しない、このような雑誌はハウスメーカーからお金を集めて運営しているだけで、家が欲しい人に正しい情報を与えていると言えるのでしょうか。

以上、余談でした。

 

私の家作りから言えること

私の家作りでは、最初に土地とハウスメーカーを平行して調べていたものの、先にハウスメーカーと話を進めておかないと土地を買う時に困る。と思ってハウスメーカーについても真剣に悩んでいました。

しかし検討していくうちに、建築条件付き土地のほうが良い土地が多いこと、総費用が安いこと、私が建てたい建物は大体どこの建築業者でも建てられることを知り、建築条件付き土地を選ぶことにしました。

ハウスメーカーでも見積もりをお願いしましたが、良い土地がないという事と、費用が全然違ったのでやめました。

※正確には、私が建てたのは建築条件付き土地ではありませんが、似たような契約です。

 

最後にまとめると、家が欲しいときは「土地」「ハウスメーカー」「自分が欲しい家」「資金計画」の4つを平行して検討すると良いが、建築条件付き土地の存在は無視できないので、できれば「土地」を重点に考えてから「ハウスメーカー」に移るほうが私はおすすめします。

 

ここまでで、ハウスメーカーで建てられた方で気を悪くされた方がいたら謝ります。ゴメン。

それでは、長々とここまでお読み頂きありがとうございました。

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